KOTO Film Commission

特集

商店街特集

江東区には、個性豊かな商店街が点在しています。昔ながらの情緒を残すエリアや、新しい店舗が加わり賑わいを見せるエリアなど、新旧が入り混じった多彩な景観が広がっています。生活感のある日常の風景としても、下町らしい人情や活気を映し出す場面としても活用できるロケーションです。
本特集では、区内の代表的な商店街を取り上げ、それぞれの特色を写真とともにご紹介します。映像制作におけるシーンづくりの参考にぜひご覧ください。

大島中の橋商店街振興組合 (大島)

大島中の橋商店街振興組合 (大島) 商店街特集
江東区大島にある大島中の橋商店街振興組合、通称「サンロード中の橋」。
100年を超える歴史の中で、古くから暖簾を守る老舗と、新しい風を吹き込む新店舗が肩を並べ、温かい人情と活気に満ちた独特の雰囲気を生み出しています。老若男女が行き交うこの商店街では、威勢のいい声が飛び交い、下町情緒を肌で感じることができます。
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年間を通して特に盛り上がりをみせるのが、10月末のティラノサウルスレースとハロウィンパーティー、12月の歳末とクリスマスの福引などです。中でもティラノサウルスレースは都内でも有数の規模を誇り、参加数日本一を目指すといった地域住民が一丸となって盛り上げる様子は、この街の結束力の証です。

同商店街の道幅は約6~7mあり、さまざまなロケシーンに応えられるのが強み。
これまでバラエティー番組、ドラマや映画の撮影でも使われており「空き店舗で全く別のお店を作ったりしている様子に驚いたことがあります。また昼間でも大きな幕を張って夜のシーンを撮影するなど自由自在でしたよ」と商店街振興組合統括副理事長・広報担当の内藤喜三郎さん。
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さまざまな撮影の経験から、駐車場や電源、モニター置き場など撮影に必要なものが準備できるのが利点です。
またロケ地候補として連絡がきた際「あれもこれもできますと安請け合いするのではなく、まずNG内容を明確に提示することで、お互いに効率的な作業ができます」と内藤さん。
そのうえで検討段階より、制作担当者とともに撮影希望場所を実際に歩いたり、アポを撮ったり。
ほかにも「古ぼけたコインランドリーが欲しいと監督に相談されたときには、地域で探しました」と献身的なサポート体制を語ってくれました。
地域のイメージアップに繋がるよう、商店街の人々も寄り添って協力しています。
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深川資料館通り商店街 (清澄白河)

深川資料館通り商店街 (清澄白河) 商店街特集
深川資料館通り商店街は、格式⾼い⽼舗店からスタイリッシュな新参の店舗まで新旧の店が軒を並べ、歴史を感じる街並みとトレンドが溶け合っています。
⼆度の戦災で焼け野原となった⼀帯ですが、元々お寺の借地が多い地域で、築造や改築が制限されていたこともあり、情緒ある⾵景が今なお保たれています。
現在も30を超える寺や神社が点在し、清澄⽩河の地名の由来となった⽩河藩主松平定信の墓、徳川家康の側室として数多の重責を担い、朝廷から従⼀位を与えられた阿茶局の墓など、多くの参拝者が訪れます。
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2⽉は善徳寺で枝垂れ梅が、3⽉は出世不動尊で枝垂れ桜がそれぞれライトアップされ、厳かで美しい情景を撮影しようとカメラを⽚⼿に多くの人が訪れます。毎年10月に開催される「清澄⽩河収穫祭かかしコンクール&ハロウィン」は商店街が⼀番賑わう⼤イベント。多い年には200体を超える個性豊かなかかしが、道沿いに展⽰されます。

「テレビ取材はしょっちゅうです。先⽇は、藤井隆さんと今⽥耕司さんのミュージックビデオの撮影があったのですが、複数の店舗で撮影があり、とても盛り上がりました!」と話してくださったのは、理事⻑の⽥巻雄太郎さん。
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古い倉庫やアパートをリノベーションしたコーヒーショップ、江⼾時代から続く郷⼟料理店、店内を覗くと、にこやかに南京⽟すだれの⾒事な芸を⾒せてくれる店主など、新旧の魅⼒は街のそこかしこに感じられます。

「誰が来ても楽しめる場所が⾒つかります。寺院も多く歴史を学ぶことができる。バラエティ、ドラマ、映画、歴史番組や教育番組、どんな視点から撮っても、きっと⾯⽩いと思います」。
ロケ依頼は商店街が窓⼝になり、要望に合わせて店舗のリストアップから⽇程調整のサポート、出演者の着替えスペースの提供、⾐装や⼩物類の貸し出しなども⾏なっているそうです。
深川資料館通り商店街は、撮影シーンに応じて、必要な舞台と魅⼒が浮き出す街です。
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深川不動尊商店会 (門前仲町)

深川不動尊商店会 (門前仲町) 商店街特集
江東区富岡にある深川不動尊商店会は、通称「人情深川ご利益通り」とも呼ばれ、成田山東京別院・深川不動堂へと続く約150mの参道に位置します。
東京メトロ門前仲町駅の1番出口を出るとすぐに、商店街のシンボルである大きな赤門が迎えてくれます。
この通りには、和菓子屋や仏具店といった老舗の趣と、現代のカフェや居酒屋が心地よく共存しており、新旧の文化が交錯する独特の雰囲気を醸し出しています。

商店会代表・本間秀治さんは「赤く特徴的な和モダンの街路灯は老朽化に伴い商店会の1級建築士が一からデザインしてくれた特注品です。景観を大切にしながら行き交う人々に、歴史と新しさを感じてもらいたいという思いが込められています」と語ってくれました。

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毎月1・15・28日に開かれる縁日は多くの参拝者でにぎわいます。
また年末から正月には松飾りが通りを彩り、今では珍しくなった獅子舞が正月をさらに盛り上げます。
8月には毎年お祭りがあり、特に3年に一度開催される江戸三大祭りの一つ「深川八幡祭り(富岡八幡宮例大祭)」の本祭りは街全体が最高潮の盛り上がりを見せます。50基余りの大神輿が練り歩き、深川不動堂の門前にも姿を現します。別名「水掛け祭」の名の通り、沿道の人々が担ぎ手に清めの水が浴びせかけ、街全体が一体となって祭りの熱気を高めます。
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これまで深川不動堂へ参拝道中を撮影する散歩ロケや、東京メトロのCMで使用された実績があります。
当時について本間さんは「冬の寒空の下、春の衣装で撮影していて、撮影スタッフさんも出演されていた石原さとみさんも大変そうでした」と話してくれました。

「『お不動様』への撮影依頼が多いですが、この下町風情あふれる雰囲気を活かした撮影にもっと使っていただければと願っています」と本間さん。
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亀戸五丁目中央通り商店街 (亀戸)

亀戸五丁目中央通り商店街 (亀戸) 商店街特集
JR⻲⼾駅が最寄りの⻲⼾五丁⽬中央通り商店街。商店街の⻑さは近くにある東京スカイツリーの⾼さとほぼ同じ660mに及びます。
近年は中華料理、スペイン料理、イタリアンなど、多国籍の飲⾷店が増えました。それらが昭和の⾯影と融合して味わい深い雰囲気を作っています。
「外国から観光や仕入れに来る⽅も増えました。今は翻訳アプリなどで会話できるので、外国⼈の⽅たちとのコミュニケーションも何とかなっていますね」と、商店街組合⻑の平澤清さん。

多くの芸能人がロケなどで訪れているそうですが、中でも⻲⼾出⾝の俳優・⽥中圭さんが来た際に「地域起こしのようで、⻲⼾のお店で買ったものをみんなに配ってくれて。とにかくたくさんの店で購⼊して下さったので、⼤変盛り上がりました」。
ほかにも、今年は近くの喫茶店が、韓国の有名な⽅が出演するドラマロケで使われ、多数のファンが集まり驚いたそうです。
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⼀番映えるイベントは、5⽉の「こいのぼり祭り」です。
⼦どもたちの健やかな成⻑を願い、商店街が一体となって開催する⼀⼤イベント。⼤⼩200匹以上のこいのぼりが、爽やかな春⾵を受けて下町の空を泳ぐ様を撮影しようと、記者や、外国⼈観光客も急増します。
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⼣⽅から夜の時間帯は、昼間と比べて⼈通りは落ち着きますが、安くて美味しいお店が多いため、地域外から集まった若者で賑わうそうです。
クラシックな球体の街灯が闇を照らし、異国の街を散歩するような気分にもなれます。
「商店街の中に東武線の線路があり、⼣焼けに電⾞の通る⾳が響く⾵景や、街灯の明かりはすごく雰囲気があります。昼間のロケ依頼が多かったので、⼣⽅から夜間もおすすめです。多国籍の飲⾷店が増えているので、夜のグルメ番組なども⾯⽩そうですね」と平澤さんは語ってくれました。
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砂町銀座商店街 (砂町)

砂町銀座商店街 (砂町) 商店街特集
砂町銀座商店街は、下町情緒あふれる空気と⼈の温かさが交差する商店街です。
時代の移り変わりとともにお店は入れ替わっていますが、その⼀⽅で新規出店希望者は絶えず、賑わいは形を変えながら今も⼈々の暮らしとともにあります。
積み上げられた焼き⿃の串やおでん、驚くほど新鮮で安い野菜や果物、レトロモダンなブティック、雑貨屋で掘り出し物探しといった、街ブラが好きな⼈にはたまりません。
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商店街理事⻑を務める⼆瓶陵さんによると、商店街では年間を通じて、多くの撮影や取材があるそうです。平均すれば⽉5件ほど、多い時には⽉50件。テレビの街頭インタビューからバラエティ番組まで幅広く、特にドラマ『孤独のグルメ』や『健康で⽂化的な最低限度の⽣活』などでも使⽤され、独⾃の存在感を発揮してきました。

「⾏政も商店街の発展を後押ししてくれるので、新設された全国連携事業を活⽤して、北海道の⾃治体とのコラボを企画するなど、積極的に動いています。近隣の⼤型スーパーとも協⼒しあって地域に貢献しながら共存しています」と⼆瓶さん。
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毎⽉10⽇に開催される名物「ばか値市」をはじめ、七⼣祭り、ハロウィン、イルミネーション、年末の⼤売り出しなど、イベントも⽬⽩押し。

撮影スポットとしては⾼平稲荷神社もおすすめだそうです。地域の⼈々に⼤切にされてきた商売繁盛の神様で、今春から御朱印と御守りの販売をスタートしました。
「2025年は街コンも初めて主催し、好評でした。さらにブラッシュアップして、来年も開催予定です。⾼平稲荷神社が縁結びにもなってくれると嬉しいですね」。「下町の⼈柄や温かさが、⾃然と伝わる映し⽅をしてもらえるのが⼀番うれしいです」と期待に満ちた⼆瓶さんは語ってくれました。
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商店街がつくるまちの景色 

江東区の商店街は、それぞれに異なる成り立ちや特徴を持ち、地域ごとに多様な景観を形づくっています。
撮影の目的や作品の雰囲気に合わせて選ぶことで、日常的な場面から下町らしい空気感まで幅広く表現することが可能です。
ロケーションを検討される際の参考としてご活用いただければ幸いです。


※映像関係者で撮影をご希望の方は、KOTOフィルムコミッションへご相談ください。
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